BIOGRAPHY

香瑠鼓 / KAORUCO

振付家、アーティスト。1957年東京都生まれ、早稲田大学卒。

振付を手掛けた石井明美「CHA-CHA-CHA」(1988)、Wink「淋しい熱帯魚」(1989)、B.B.クイーンズ「おどるポンポコリン」(1990)が3年連続で日本レコード大賞の各賞を受賞。その後、稲垣吾郎と沢口靖子が出演するフジカラー「写ルンです」CMでは「広告電通賞」、木村拓哉のJRAシリーズCMでは「ACC金賞」を受賞。香取慎吾扮する「慎吾ママのおはロック」の振付は一大ブームとなり、新垣結衣出演のグリコ「ポッキー」のCMでは「ポッキーダンス」という呼称も生まれた。その他、財津一郎&ダンサーズによる「タケモトピアノ」や、役所広司と古田新太が出演する大和ハウス「ベトナムにも」篇CMなど、手掛けた振付は1300本以上。斬新で独創的な振付に定評がある。2003~8年の6年間、朝日広告賞の審査員を務めた。

また、長野パラリンピック開会式(1998)、東アジア競技大会大阪大会開会式(2001)、映画「嫌われ松子の一生」、「20世紀少年」など、イベント、舞台、映画などでも多数の実績を持つ。

一方で、障害のある人たちが参加する「バリアフリーワークショップ」を1996年より実施。朝日新聞「天声人語」をはじめ多くのメディアで紹介され、2000年には芸能界では初の「エイボン女性年度賞芸術賞」を受賞。バリアフリーカンパニーApi-Lucky(あぴラッキー)を主宰し、障害のあるメンバーらと共に地域イベント、映像作品、海外の芸術祭などに出演している。

また、自然界からヒントを得た独自の身体メソッド「ネイチャーバイブレーション」を体系化し、アーティスト、ビジネスパーソンから障害のある人に至るまで、“正解”や“完璧さ”にとらわれず一人ひとりが自由な表現を追求できるワークショップ(香瑠鼓カラダラボ・スクール)を開講している。2015年度前期には東京大学教育学部非常勤講師を務め、大学院岡田猛研究室(教育認知科学)による芸術創造過程の研究(中野優子)にも寄与。

演技指導や作品演出も手掛け、自身のアーティスト活動も精力的に展開。他者と比べることなくその人自身であるための身体の可能性を、一貫して追求している。

著書に『脳とココロとカラダが変わる瞬感動∞ワークショップ』(高陵社書店)ほか。

Concept

指一本でも自己表現

香瑠鼓は、多くの振付を手掛けてきたヒットメーカー。そのヒミツは「即興」にあります。先入観や思い込みにとらわれず、ありのままを受け取って共振するオリジナルの方法で、それぞれの個性や魅力が映える振付を生み出してきました。水や草花や風のように自然体の自分でいられたら、指一本動かすだけでも自分らしさを表現できるのです。

だれもが人生の主人公

しかし、私たちはともすれば、らしくあることに囚われます。男、女、親、大人、さまざまな肩書や役割。「自分らしさ」にさえ迷います。そんな人にこそ香瑠鼓のワークを体験してみてほしい。時代を映すアイドルも、身体や言葉が不自由な人も、だれもが自分だけの物語をもった人生の主人公だからです。

下北沢発、世界中が踊る日まで

オンリーワンの身体をもつかけがえのない存在として、香瑠鼓はあなたの可能性を広げていきます。だれもが生きる喜びや尊厳を共有できる世界を実現するために、下北沢から世界に発信し続けます。